過去の日記

2009/07/01(水)
浜木綿(はまゆう)









中崎町・済美小学校向かいの路地を
少し入ったところにある
4席の小さな定食屋「浜木綿(はまゆう)」。

店主のハル子おばあちゃんは、85歳。
もう50年ほど、この場所でお店をやっています。

四国から出てきて、水商売で2年ほど働いてお金を貯め、
お店を始めました。

 当時、このあたりは、とんでもないところだった。
 オカマ、ヤクザ、芸能人など、ややこしいお客が
 いっぱいやって来た。

 お店から男のお客さんをひきずり出したこともある。
 あの頃は元気があったなあ。

 一杯飲み屋としてお店を始めたが
 そのうちお酒が飲めなくなり、定食屋に変えた。

 お店を始めた頃には、周りに他にお店はなく、よく流行った。
 おでんでも、コーラでも、面白いほど売れた。
 自動販売機がなかった時代。コーラのケースを
 積み上げて売っていた。
 お金が入ったら、つい使ってしまっていた。
 あれをきちんと貯めておけばよかった。


定食は650円。僕が行ったときは焼魚定食でした。
今でも近所の常連さんが毎日来るので
献立を日替わりに数食分を作っています。

中崎町の住宅街にお店を出すということは
今と昔では、ずいぶん意味合いが違ったようです。


2009/06/30(火)
贈与の一撃







フランスの社会学者
マルセル・モースの「贈与論」。

モースは原始社会の贈与の慣行を詳しく調べ
古代社会や原始社会では、貨幣を使った
交換の原則ではおさまらない慣行が多数存在すること
なかでも贈与が経済的な領域をこえた重要な原則として
機能していることを明らかにしています。

原始社会の贈与では、贈り物の移動が起こるたびに
雲のような力の流動が発生していると考えます。
モノを媒介にして、人と人との間に
感情的・人格的なつながりが生まれるのです。

贈り物は、贈られた相手に「お返しをしなければいけない」
という、一種の心理的な負債を与えます。
そしてその反対給付は、いくらか時間を置いて行われます。
そうして遅延された時間の中に、関係性が担保されます。


近代資本主義は社会の全域に、交換の原理を行き渡らせました。
これは贈与と反対給付が同時に行われる、無時間モデルです。

交換経済が進行すると、モノはモノ自体として、
人格的なものから切り離されて流通するようになります。
そして人間関係は、地縁や血縁、友情による結びつきから
利害関係に裏付けられた、合理的なものとなっていきます。

このことを、ドイツの社会学者、フェルディナント・テンニースは
「ゲマインシャフト」から「ゲゼルシャフト」への変遷、と捉えています。


ドイツの哲学者、ニーチェのいう「贈与の一撃」。

贈り物を贈ることは、贈られた側にとって
贈与者に対する負債の意識を持たせる効果を持つ。
そして贈られた人は、また新たに誰かに対し贈り物をする。
そういう形で、社会の中で感情的・人格的な力が動き始める。

............................................................................................................

ということで、ゆずりまいりの第2回を
6/27(土)に開催いたしました(笑)。

前回は雨とインフル禍に祟られたのですが
今回は気持ち良く晴れてくれました。

高座の滝の護摩堂前には、ゆずりものを持った人たちや
たまたま山を降りてきた人たちが集まりました。
思いがけなくいろんなものを譲られた人たちは
今後どんな動き方をするのでしょうか?

次回は、暑い夏を避けて、10月4日(日)午後2時に
同じく高座の滝、護摩堂前にて開催いたします。
みなさま、ぜひ「ゆずってもいいもの」を持って
この場にご参集ください。


この日の夜は208ショーケースに
ooo(オーオーオー)の後藤さん、ダンカンさんに
お越しいただきました。

デザイン事務所の会社員と、英語の先生。
この二人が出会い、自分たちのサイクルで
やりたいことを模索して辿り着いたのがooo。

シンガポールのデザインイベントに参加したり
海外から作家を招いてワークショップをしたり
大阪のギャラリー・アート情報を英語で紹介する
フリーペーパー「FLAG」を最近創刊したりと
面白い活動をいろいろ展開しておられます。

ダンカンさんは「クリエイターのための英会話」
というレッスンもやっているそうです。
OCC!にも、また出てもらおうかなと。


2009/06/26(金)
アメリカ村前史
“アメリカ村のママ”故・日限萬里子(ひぎり・まりこ)さん。

彼女は69年6月、大阪市中央区炭屋町に
「ループ」という一軒のカフェをオープンしています。
(今で言うとアメ村三角公園のすぐ近く)

「夜遅くにおいしく熱いコーヒーが飲めるところが欲しかったんや。
 見つからへんので自分でつくることにした。」

このお店ができたのは、周囲には倉庫のほかには
デザイン事務所や印刷屋ぐらいしかなく、夕方を過ぎると
客足が潮の引くように閑散としてくる場所でした。

オープン当初は夜になると客足が途絶えていましたが、
9月になると夜な夜な学生が訪れるようになり、
やがて口コミで多くのお客さんが訪れるようになりました。

そしてしばらくすると、「ループ」の前にウエスタンの店が
でき、アメリカ製のTシャツや中古のジーンズ・レコードを
売る店が集まってきました。

そしてこの街にはファッションや音楽で尖った感性を持った
若者たちが集まり、「アメリカ村」と呼ばれる
情報の発信地となっていきました。

<参考文献:日限満彦著「アメリカ村のママ 日限萬里子」>


この、日限萬里子さんとアメリカ村草創期の話を
映画化するという構想があり、ちょっと首を突っ込んでいます。

で、実際に70年頃にアメリカ村でお店を始めた
オーナーの方々を中心に、お話を聞いています。
これがだいぶ面白い。

 当時そもそもTシャツというものがなかった。
 あったのは、グンゼや福助の肌着。
 ヘインズの3枚入りぐらいはあったが
 下着に文字や絵をプリントしてそれだけで着る
 ということ自体が新鮮だった。

 ループの近くにはすでに「VANヂャケット」があった。
 そして60年代にはアイビー・ブームが起こっていた。
 ダンガリーシャツ・ヘインズTにコットンパンツ。
 でもそれは、アメリカでいえば40〜50年代のファッションだった。

 アメリカに憧れて、1ドル360円の時代に西海岸に行った。
 当時のアメリカはヒッピー・サイケデリックの時代。
 ウッドストックの風景がそのままそこにあった。
 そんなアメリカを、そのまま大阪に持ち込もうとした。
 アメリカと日本のファッションが、この時初めて同軌した。

 70年代初頭にアメリカ村にあったお店は7〜8軒。
 それがNHKに取り上げられ、アンアン・ノンノ・JJに
 取り上げられ、お店の数が50軒、100軒と増えていった。

 当時有名だったのは、アウアハウス・マイウェイ・ラハイナ。
 アウアハウスはアメ村をリードするファッション性で
 マイウェイは大掛かりな商売で、ラハイナは
 くじらのマークのオリジナルトレーナー・Tシャツで
 有名になったが、いずれもその後長続きしていない。

 若いオーナーたちはお金が儲かると使ってしまい
 その後お店が増え、商品が売れなくなった時に
 どうしようもなくなった。
 マリファナで店員全員が捕まったお店もあった。
 みんな結局、商売人ではなかった。
 
 メディアに取り上げられて注目されてから
 多くのお店が倒産するまでが2〜3年。

 東京ではビームスやシップスのように
 海外からの並行輸入から製造小売に移行して
 成功したところがあったが、メディアが弱い大阪では
 その道で生き残ったところはなかった。

今でもアメリカ村は、健在です。
しかしこうした逸話は語り継がれないまま
当時のオーナーは60代、70代を迎えています。

そろそろアメリカ村は、生誕40年。
この映画を機に、こんな伝説が語り継がれるといいなと。


2009/06/26(金)
明日はゆずりまいりと208ショーケースです










さて、第2回ゆずりまいりが
いよいよ明日27日(土)に迫ってまいりました。
http://www.talkin-about.com/cafelog/?itemid=897

前回は雨とインフルエンザ禍に悩まされましたが
明日は晴れそうです。

スタートは午後2時、場所は芦屋ロックガーデン高座の滝です。
みなさま、ぜひ首からスプーンをぶらさげて
「譲ってもいいもの」をお持ちください。


そして明日の夜は、208ショーケースです。
西天満のオルタナティブワークスペース「OOO(オーーー)」の
後藤哲也さん・ダンカン・ブラザトンさんにお越しいただきます。
http://www.mediapicnic.com/208/

こちらのほうも、ぜひ。


2009/06/25(木)
ローカリティと産土信仰








昨夜はカフェ太陽ノ塔にて「博覧強記の会」。
集まったメンバーがそれぞれ本を紹介するという
この月例サロン、ひっそりと1年半も続いています。
mixiにコミュニティがあるので、
興味ある方はチェックしてみて下さい。

さて、昨夜は阪神百貨店の吉田さんと示し合わせて
このサロンに神道・仏教系の話を持ち込もうという
ジャックを試みました。

僕が持ち込んだのは先述の「FIGARO」「PEN」と
山本勉著「仏像のひみつ」。
今なぜ神道・仏教なのかという問題提起をしました。

そしてこの日記を見て参加いただいた
笑撃武芸団の貴鳳左依さんには
原始福音運動を指導した手島郁郎氏の本を

吉田さんには、河合隼雄著「神話と日本人の心」と
エルマガジンに掲載されていた「聖地巡礼」の話を
それぞれご紹介いただきました。

日本的なものにこだわった芸能に携わる立場から見ても
神社方面をずっと定点観測している立場から見ても
この1〜2年は今までとは違う盛り上がり方をしているそうです。

雑誌の新たなネタ探し、時代の編集欲求が
今は神道・仏教とシンクロしている
よく言われるように、癒しの時代が来ている
ということのようですが、昨日のディスカッションでは


 神社は西欧における公園、パブリックな場であるとともに
 風光明媚な場所に作られている。
 それが癒し、環境との共生という時代意識とリンクしやすい。

 例えば「海水浴」という言葉ができたことで
 みんなが娯楽として海で泳ぎ始めるように
 名づけることで、意識が顕在化するということが
 「神社」「お寺」についても起こってきている。

 戦前の国家神道の呪縛が解けてきていて
 日本神話の話をすることに怪しさがなくなってきている。
 むしろ自分たちのルーツに自覚的でなかったことに対する
 反省が起こってきている。

 グローバリズムが分かりやすい形で崩壊してきたときに
 ローカリティに軸を置いたアイデンティティが見直される。

 一神教的な世界観ではなく、多神教的な世界観。
 国家神道ではなく、産土信仰としての神道や日本神話が
 改めて見直されるようになってきている。

といった鋭い視点が提示されていました。
シンポジウムみたいでした。

*久世光彦さんが向田邦子さんとの関係を綴った
 「触れもせで」は心に響きました。


2009/06/24(水)
まちなか学校のコラボレーション









この日記で「OCC!!」(大阪カルチャークラスター!!)
という構想について書いたことがあります。

コモンカフェだけでなく、大阪のさまざまな
カフェ・ギャラリー・オルタナティブスペースで
講座やワークショップが開講されている状況を
webサイトで紹介していく、というものです。


実は今、同じような趣旨の企画が
大阪でいくつか動いています。

■2年前に芸術創造館館長の小原啓渡さんが始めた
 ワークショップフェスティバル「DOORS」。
 http://www.artcomplex.net/doors/index.php

 500円で誰でも気軽に参加できる、ワークショップの 
 見本市イベント。毎年7〜8月の夏季に集中的に開催。
 2007年にスタートし、今年は200のワークショップ
 (体験型講座)を集める。ジャンルは古典芸能・
 ポップカルチャー・最新アートなど多岐にわたっている。

■140Bの江弘毅さんが、阪大とのコラボレーションで
 進めている「月刊島民ナカノシマ大学」。

 2008年8月に創刊した無料の街事情誌「月刊島民中之島」
 が、創刊一周年を機に立ち上げるコミュニティ大学。
 2009年9月以降、月1回のペースで中之島を舞台に、
 座学と郊外学習を展開していく予定。 

■シブヤ大学の大阪校を立ち上げる、という話も
 徐々に進んでいるようです。
 http://www.shibuya-univ.net/

 「教える」と「教わる」を自由に行き来できる教育
 というコンセプトのもと、2006年9月にスタート。
 渋谷区にある公共施設、映画館、カフェ、病院、
 小学校などをキャンパスとして展開している。


シンクロニシティ、ですねえ。
というか大阪ってつねに同時多発的ですねえ。

これらをうまく有機的に繋いでいくことができれば
大阪の街場はまたずいぶん面白くなりそうです。
逆にそれぞれ独自に進んでしまうと
もったいないことになりそうです。

そんな水面下調整が続いています。


6/22(月)のOCC!は、横山拓也さんによる
「演劇の脚本を書くために」。

第一回目は、7つの台詞だけで物語をつくる
というワークに取り組みました。
全員が書いて発表したので、結構長丁場となりました。

次回は7/27(月)。タイトルは「起筆の準備と設計図」です。

6/23(火)は、富岡邦彦さんによる「映画を発見するために」。

リュミエールやエジソンの話から、70年代以降の
若手作家がどういう道を通って監督になっているか
そして今のインディーズ映画製作がどうなっているか
などを矢継ぎ早にお話しいただきました。


2009/06/22(月)
目憶力(めおくりょく)入門




 


6/19(金)のOCC!は、玉井恵里子さんによる
「実践!タピエ流『目憶力(めおくりょく)』の鍛え方」。

講座の前半は玉井さんが手掛けてきたお仕事のご紹介
後半には今年のミラノ・サローネを
300枚のスライドで紹介するというものでした。


「目憶力」という言葉は、2007年に出版された
「zakkaな大阪」巻末の、スタイリスト岡尾美代子さんと
玉井さんとの対談の中に、岡尾さんの言葉として出てきます。

 お店に行って新商品をチェックする時に
 記憶するのではなく、ディスプレイごと目で憶えます。

ビジュアルのクリエイションをしている人は
写真を撮るように、日々いろんなイメージを
ストックしているということですね。

玉井さんはお仕事柄、よく海外に出掛けておられます。
そこで集められた海外のビジュアルイメージを
紹介するセミナーを、また企画したいと思います。

▼Tapié  http://www.tapie.jp/

▼tapie style http://www5f.biglobe.ne.jp/~tapie/


2009/06/19(金)
なぜ今、神社とお寺なのか!?









先月号の「FIGARO japon」の第二特集「7月は神社へ行こう!」に続き
今月号の「Pen」では「神社とは何か?お寺とは何か?」
という特集が組まれています。

特に「Pen」では日本の神話がイラスト入りで
紹介されていたりもします。だいぶ力入っています。

今年になって古事記を読んだり浅野温子さんの
朗読を聴きに行ったりしていた僕としては
そろそろこういうあたりにアンテナが立ってくる年頃に
なったのかと思っていたのですが、どうやら今
社会全体がこっちに行っているようですね。
シンクロニシティ。

デザイン的・カフェ的な編集欲求が
欧米からアジア、そして和テイストなものを
求めるうちに神社・仏閣に辿り着いたのか?
それとも宗教的・呪術的なものを
時代が求めるようになってきているのか?

ちょうど24(水)にカフェ太陽ノ塔で
博覧強記の会が開かれるので、そこでそんな
問題提起をしてみようと思っています。

ご興味ありましたら、夜7時半にお越しください。


2009/06/18(木)
講師のSPEAKと参加者のTALK







16日はクレオ大阪中央で、カフェ開業の話をしてきました。
110名の応募があり、選考された70名の方が参加。
カフェ開業、相変わらず人気のようです。

僕はカフェをやりたいという人には
「やめといた方がいいですよ」と言うほうなので
みんながどういう理由でお店を閉めているか
昔は儲かっていた喫茶店が今どういう状況にあるか
続いているお店にはどういうカラクリがあるか
といった話をします。
みんなちょっとゲンナリします。

一般的にカフェの経営が厳しいということは
多くの人はすでにご存知かと思いますが
たまに事情をよくご存知でない方がおられます。

そういう方がお店を始めて大怪我をしてしまうのを
防ぐためには、全員を多少ゲンナリさせてでも
言わないといけない。

今の時代にカフェセミナーをすると、そうなります。

(専門学校の先生やカフェコンサルの人などは
 カフェはやめとけと言うと自己否定になるので
 もう少し希望のある話をしますが...)

カフェを目指すこと自体は悪いことでも何でもなく
夢を目指す人が社会に多いのはいいことです。
問題はすでにカフェが飽和している、ということなのです。


さておき、多くの人を前に2時間喋りつづけると
ちょっとフラストレーションがたまります。
それは「全員の求めていることには応えられない」
ということです。

人数が多すぎるので、一人ひとりのお話を
その場で聞くことができないのですが
実は僕が頑張って喋るよりも一人ひとりが
ビジョンを語った方がみんなの刺激と気付きにつながる。

そんな感じがするのです。


昨日のOCC!はエサキヨシノリさんの「自分表現力アップ塾」。

相手を想定していないSPEAKではなく
相手とのキャッチボールを大切にするTALKを
意識することが大事だというお話でした。


2009/06/16(火)
南森町meets西天満







OCC!が始まってから、講座終了後にそのまま
コモンカフェで飲み終電で帰る日々を重ねていると
いっぺんに体調を悪くしてしまいました。
この2週間ほど、アルコールを抜いています。
そろそろお酒を飲むこと自体を辞めるべきかと
考えているところです...


さて、昨日の夕方に、南森町「208」の岩淵さんと共に
西天満にあるオルタナティブスペース「OOO(オーーー)」へ。
後藤哲也さん、ダンカン・ブラザトンさんと
6/27(土)に208で行うショーケースの
打ち合わせをしてきました。
http://www.mediapicnic.com/208/

OOOでは国際交流をテーマに
海外アーティストの展覧会やワークショップ
クリエイターのための英会話教室
関西のアート情報を紹介するフリーペーパーの発行など
幅広い活動を展開しています。

今回の208ショーケースは、南森町meets西天満。
灯台下暗しな2つのオルタナティブスペースが
今後有機的につながっていくきっかけになればと思います。

ということで、208メンバーになって初めて
お仕事らしいことをしてみました。
当日は僕が司会をしています。お時間あればお越しください。


 OR AND
スペースで区切って複数指定可能
[TOP]
shiromuku(hu1)DIARY version 3.02