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2010/03/17(水)
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“喫茶店”の陥穽
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今、カフェの本の修正を行っていますが 誰かに対して喋る時にはうまく伝えられるのに 原稿に向かい合った途端に表現が硬くなって なんだか伝わりにくいものになってしまう というジレンマを感じています。
自分で書かずにまず喋って、 それを起こして書いたほうがよっぽど早そうです。 人間の頭って、そう出来ているんでしょうか。
さて、この本のタイトルを「喫茶店入門」でいきます と以前に書いたことがありますが、その後方向転換し 現在は「カフェ進化論」と想定して書いています。 まだ変更の可能性はありますが。
ここ1〜2年、“カフェ”ではなく “喫茶店”を開く、というという傾向があり 去年にはそういう本も出始めていました。
僕の周りにも「喫茶○○」という名前で 開業する方がおられるのですが、実際お店を訪ねてみると あれ?と思う状況に出会うことがままあります。
12月末に開業したお店。 2度行きましたが、2度とも同じ男性が カウンター席にいて、自分のことばかり喋っていたり 突っ伏して寝ていたりしました。 ランチタイムになると、近所の工事現場で働いていた人が 入ってきて「ランチ4つ」と当たり前に注文します。
3月に開業したお店。 オープンして間もないのですが、すでに日に3度 お店に来る常連さんがいます。 僕が行ったときには、お店の中で買ってきた弁当を 食べていました。カウンターにはスポーツ新聞。
開店前に「スポーツ新聞を置いて」と言われても、 嫌だったら断るようにとアドバイスしていたのですが 聞いてみると、お客さんが自分で買って読んだものを 「置いといて」と置いていったのだそうです。
つまり“喫茶店”と名づけてそれっぽいお店を作った途端に “喫茶店”になら入れるタイプの男性がやって来て 強力なカスタマイズ力をもって蹂躙しにかかるのです。 スポーツ新聞、コーヒーチケット、カレンダーなどが 強いリクエストとともにお店の場を占めるようになり 空間がだんだんヤニで汚れてきます。
これは日本の独特の喫茶店のありようを示しています。 日本では70年代まで、喫茶店は男性文化として 発達したのです。
コーヒー専門店の根底にはオヤジ文化があるんじゃなかろうか。 (中略)「違いのわかる男たち」は「○○は知っている」と いわんばかりに、ブルマンのアロマがどうの、キリマンの酸味が どうのとウンチクをたれる。 日本酒の地酒かあるいは希少なワインがたくさんあればあるほど 本格的な店とみなすのがオヤジ。質もさることながら、 いっぱい並んでいることが大切なのだ。 (ハナコウエスト1996.10月号「日本独自(?)の珈琲専門店に オヤジ文化のエッセンスをみた」文:永浜敬子)
雑誌などで「喫茶店開業」について調べてみると 最近“喫茶店”を開業している店主は、 かなり高い割合で飲食プロパーでないことに気づきます。
調理技術が高くなくても、焙煎や抽出技術を極めることで お店に立てること、原材料のロス率が低いことなど 素人でも始めやすいという部分があってのブームだと 思いますが、女性が「喫茶○○」というお店を 開業する際には、男性常連客のカスタマイズに対して 一線を設けて臨むことをお薦めします。
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