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今月の記念すべき第1回目の「ナイスマスター!!」は
マスターネーム
村上惣一:シングルズ映像班班長。撮影・編集担当
池上宣久:怪獣とっても大好き43歳。脚本・演出担当
取材日
2005/03/27(日)
タイトル
特撮バー
タイトル名の由来
あらかじめ用意した脚本、絵コンテをもとに、お客さんを役者にして、閉店までの間に一本の特撮映画を作り上げるバー。
きっかけは、池上氏が前月に怪獣バーをやったことです。その時はテレビで怪獣映画を流し、怪獣のフィギュアをカウンターに飾るだけでした。そこへシングルズ映像班の村上氏がカメラを持って来たので、その前でフィギュアと格闘する様子を遠近法を駆使して撮ったところ、結構面白い映像が出来上がりました。それに気を良くした村上、池上両氏は今回、特撮に特化してバーをやろうと思い立ったのでした。
当日の雰囲気
しかし、シングルズという狭い空間で怪獣映画が本当に撮れるのでしょうか?記者は一抹の不安を持って取材に挑みました。
まず、最初に吃驚したのは、マスター二人が、まだお客さんが少ないうちにと言って、屋外ロケに行ってしまったことです。「撮影現場は鉄火場やでえ!」と池上氏はわけの分かったような分からないようなこと言って外に走り、村上氏は申し訳なさそうに会釈をして後を追いました。いきなりマスターが店から姿を消してしまいました。波乱の幕開けです。しかしすぐさま、マスター経験のあるお客さんが厨房に入りました。あらかじめ約束が出来ていたようです。そんな連携プレイに、シングルズのチームワークの良さを垣間見た思いでした。
幸い新しいお客さんは現われず、二人は十分ほどで戻って来て、すぐに店内での撮影が始まりました。
絵コンテ(一枚五コマ台詞入り全十二ページ)が六部コピーされていて、それをお客さんに配布し、役柄を振っていきました。中には撮影があるとは知らずに来たお客さんもいたのですが、遠慮なしに振っていきました。
お客さんに台詞を覚えてもらい、池上氏が演技指導をしてリハーサルを繰り返し、村上氏にカメラのアングルと動きを指示し、本番を撮ってすぐに映像を確認し、駄目なら撮り直しです。そんな調子で、絵コンテに沿って、一カットずつ撮影していきました。
驚くべきことに、何と彼らは真剣なのです。マスターもお客さんも汗だくでやっています。役者が自分の演技を見て、「もういっちょ!」なんて監督に駄目出ししたり。遂にはまだ肌寒い三月の末だというのに、店に冷房が入りました。
お客さんインタビュー
きゃすい(偽名)さん
『池上さんと祝杯をあげるために、シングルズに来たのに、なぜか女優デビューすることとなりました。 これは、仕上がりが楽しみです。 しかし、編集大変やろうなぁ・・・。』
やまやん(偽名)さん
『池上さんがとにかく何かをしたいと言い出したら、もう止められませんからねえ。村上さん、ご苦労様でした。とても楽しかったです。 池上さん演じる、ガメラと戦うコルセットマン。ヘルニアの痛みを緩和するあのコルセットが何とも悲しい。いや、とてもよくできた装備に見えましたよ。』
マスターインタビュー
池上氏
『シナリオを書いたことも、絵コンテを作ったことも、監督したことも、映像を撮ったことも、何の経験もないのに、特撮映画を撮ろうというのですから、無謀でしたね。でも曲がりなりにも最後まで撮れたのは、お客さんの献身的な協力あればこそです。ありがとうございました。
だけど、特撮映画を撮るなら他にもっと良い場所があるのにねえ。ふむ、何でシングルズでやったんやろ?(と、考え込む池上氏)
恐らく、シングルズではこんなこともできるんだ、という可能性の枠を広げてみたかったんやろなあ(と一人しみじみ)。』
村上氏
『大変でした。だってこの人(と言って横の池上氏を指差す)、真剣なんですもん。でも今日は撮影に徹しましたけど、僕の場合、これからが大変なんです。今、素材が集まっただけですからね。映画は編集が命です。(横で全幅の信頼を寄せるかのような池上氏の眼差しが優しい)』
記者感想
シングルズは元々は「GoodMusicOnly」を標榜する店ですから、基本的に音楽好きのマスターやお客さんが多いのですが、栄えある第一回目の「ナイスマスター!」で、こんな異端のバーの紹介から始めても良かったんでしょうか?心地よい音楽に包まれて、美味しいお酒を飲んで、ゆっくり人と語り合いたいというお客さんにとっては迷惑千万この上ないバーだと言えるでしょう。
しかし、そんな人でも、例え何も知らずにやって来たとしても、何の疑いもなく巻き込んでしまう熱気が店内に渦巻いていました。年齢差や性別を越えて、皆が怪獣のフィギュアで遊ぶ姿を目の当たりにして、記者は都会のコンクリートジャングルの中で見失ってしまった何かを取り戻したような気がしたのです。
ありがとう!池上マスター!ありがとう!村上マスター!ありがとう!特撮バー!
次は刑事ドラマらしいですね。期待してます。
記者
池上宣久